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~「ケンシロウによろしく」8巻を本職のあん摩マッサージ指圧師が読んでみた~

ケンシロウによろしく 第8巻 ジャスミン・ギュ作 講談社
ケンシロウによろしく 第8巻 ジャスミン・ギュ作 講談社

 

 

本日、唯一無二の“あん摩マッサージ指圧師が主人公のギャグマンガ”『ケンシロウによろしく』の最新刊そして最終巻が発売されました。この作品は約40年前に集英社「少年ジャンプ」で連載されていた名作『北斗の拳』の主人公ケンシロウを元ネタにしたもので、それを講談社「ヤングマガジン」で連載するという離れ業をしていました(※現在『北斗の拳』の版権は集英社とは別の出版社にあります)。作中主人公の沼倉は幼少期に読んだ『北斗の拳』のケンシロウに憧れ、母親を奪っていった相手に復讐するため、作中に出てくる伝説の暗殺拳「北斗神拳」の体得を目指し長年習練を積み、気付けば「あん摩マッサージ指圧師」免許を取得して天才マッサージ師になっていた、というもの。私は第1巻から注目し全巻購入して読んでいます。

 

1~6巻のブログは以下の通り。 

 

第1巻が発売されたときに書いた

~「ケンシロウによろしく」を本職のあん摩マッサージ指圧師が読んでみた~

 

第2巻が発売されたときに書いた

~「ケンシロウによろしく」2巻を本職のあん摩マッサージ指圧師が読んでみた~

 

第3巻が発売されたときに書いた

~「ケンシロウによろしく」3巻を本職のあん摩マッサージ指圧師が読んでみた~

 

第4巻が発売されたときに書いた

~「ケンシロウによろしく」4巻を本職のあん摩マッサージ指圧師が読んでみた~

 

第5巻が発売されたときに書いた

~「ケンシロウによろしく」5巻を本職のあん摩マッサージ指圧師が読んでみた~

 

第6巻が発売されたときに書いた

~「ケンシロウによろしく」6巻を本職のあん摩マッサージ指圧師が読んでみた~

 

 

第7巻が発売されたときに書いた

~「ケンシロウによろしく」7巻を本職のあん摩マッサージ指圧師が読んでみた~

 

なお昨年2023年の年間ブログアクセスランキング10位が~「ケンシロウによろしく」を本職のあん摩マッサージ指圧師が読んでみた~でした。

 

この作品が画期的なところは主人公がきちんと厚生労働省が認可した専門学校に通いあん摩マッサージ指圧師免許を取得することを描いていること。他にもマッサージを題材にしたマンガがありますがきちんとあん摩マッサージ指圧師について触れられているものを見たことがありません。マッサージは国家資格であり、マッサージを仕事にするには免許が必要であるという事実が知られていない現状です。誰でも勝手にやっているという状況がありながら、本作は第1話できちんと免許を取ったことを示しています。本物によく似た免許状も描かれています。そして作中に登場する経穴(ツボ)はどれも実際にあるもので正確。中にはかなりマニアックなものもあり、私でも知らなかったものが登場します。本当にあるのかと調べてそういうツボ(正確には奇穴といいます)があることを知るのでした。

 

内容はギャグマンガです。本気で『北斗の拳』のケンシロウになれると信じた少年が暗殺拳法である北斗神拳を修得するために人体の構造やツボ(北斗神拳では経絡秘孔と呼ばれる)を研究する過程で気づいたらあん摩マッサージ指圧師になっていたという、ピントがずれたところがポイントです。なお松田龍平さんが主人公沼倉を演じ脚本が本作ファンのバカリズムさんの実写ドラマ化されました。来月から地上波でも放送されることが発表されました。バカリズムさんが好きそうなシュールなギャグが多い作品と言えます。

 

この最終8巻もこれまでと同様に現役のあん摩マッサージ指圧師である私が読んだ感想を書いていきます。若干のネタバレがあることをご了承ください。

 

これまでは実在する経穴が描かれていたのですが、8巻では経穴の描写はありませんでした。最終巻ということでラストに向けて本来のギャグマンガとしての話が多かったように思われます。経穴が出てこないので専門職としての解説補足をする箇所がありません。しかし経穴やツボとは別に臨床現場に立つ者にとって大切なことをちょくちょく描いているのが『ケンシロウによろしく』の特徴です。過去にも西洋医学(医師)とのやり取り。専門用語でいう疾病利得というのですが、非常に強い肩凝りがあることで利益を感じている人のこと。大けがをして俺を治してみろと現れた患者を前にしてはっきりと無理と言い放ち、すぐに病院に行けと追い返すという医療従事者として正しい判断。ギャグにしていますがとても大切なことを描いているのです。

この8巻でも仕事がうまくいかず自暴自棄、うつとなり自殺を企てる者を破天荒なやり方で救うエピソードがあります。主人公沼倉は暗殺拳法である北斗神拳の修得を目指し、復讐を果たすために人を殺す技術を磨いていたはず。「絶対殺す」が口癖だった沼倉が「死にたい」と連呼する者に対して行ったこと。詳細は書きませんがとても深い内容だと思いました。作品のキモである暗殺術を極めようとしたら人を救う立場にいつの間にかなっていたという部分を端的に表現していると私は感じました。

 

同業者でも話題になるのですが、作者は本当に調べているし表面的な知識だけでなくかなり深い部分まで取材して落とし込んでいると思います。細かい設定ですが沼倉はあん摩マッサージ指圧師以外にもはり師・きゅう師・柔道整復師の免許も取得しています。そのことが直接表れるシーンはないのですが、同じ資格を持つ私からすると納得できる腑に落ちる点が多々あります。これは鍼灸師の考え方だな。これは柔道整復師の知識があるのだろうと。一般読者では引っかからないでしょうが本職が読むと流石とうなる。そういう細かいところをおさえている。やることなすこと常識外れであるのに細かい部分が非常にしっかりしている。編集者も含めて相当取材をしているのではないかと毎回感じます。

 

そしてあらゆるツボを極めんとする沼倉は第1巻と同じようにあさっての方向に進んでしまいます。そういうオチというか物語のたたみ方をするのか、と。意外な着地点でした。最終的にハッピーエンドで終わります。そこで登場人物のキャラクター達のその後が写真として描かれます。そこにあん摩マッサージ指圧師専門学校に通う坂本里香があん摩マッサージ指圧師免許を掲げているものがあります。その免許状は実物そっくり。本物の免許はA3サイズでとても大きく、額縁に入れることがほとんどです。運転免許証のように携帯できるような代物ではありません。それをきちんと描いていることが、あん摩マッサージ指圧師としてとても嬉しいです。

 

今回でこのブログも終了です。世間にあん摩マッサージ指圧師という職業を周知させる手助けをしてくれた作品だったと思います。知らなかったツボの勉強になりました。ジャスミン・ギュ先生、講談社編集の皆様、ありがとうございました。

 

甲野 功

 

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