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~灸術を真剣に取り組もうと思うキャリア17年目のきゅう師~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 灸の練習道具
お灸の練習道具

 

 

そろそろ鍼灸そのものに真剣に取り組もうと考えています

 

過去にこのような書き出しでブログを書いたことがあります。正確には鍼灸というより鍼及び東洋医学。その時点であじさい鍼灸マッサージ治療院を開業して4年が経過。鍼灸師になって10年以上のキャリアがあり鍼灸専門学校の教員免許も持っていました。それでも本腰入れて臨床現場で活用できる、自分で納得できるくらいの鍼技術・東洋医学の知識は当時ありませんでした。もっと学ぼうと決意を新たにしたのでした。元々あん摩マッサージ指圧師になりたくて入学した専門学校ついでに鍼灸師も取得した形でした。鍼を受けるのが苦手で学生時代は極力受けることなく、よって練習することもなく、最低限の課題をクリアーしてきました。そのまま国家試験合格、免許取得となり臨床現場に出たのが20代の終わり。柔道整復師の専門学校進学卒業を挟んで、きちんと東洋医学や鍼灸を学び練習しなかった負い目があり教員養成科進学を決めたのでした。

 

今年2024年(令和6年)は私が2004年(平成16年)に鍼灸専門学校に入学してからちょうど20年。20年前の春にきちんと勉強を始めました。それから紆余曲折を経て、今現在、お灸がきちんとできないというコンプレックスが残っています。もう少し具体的にいうと艾(もぐさ)を捻る直接灸ができないということ。温灸、台座灸、棒灸などはずっとやってきました。捻った艾を体表面に置いてそれに線香で火を点ける直接灸の技術が足りません。もちろん鍼灸専門学校で卒業できるだけの技術は習得しました。その後の教員養成科でもお灸の実技授業があり、また練習をしました。しかし自分の患者さんにきちんと直接灸をできるというレベルには達していません。自分自身が納得できるものではない。その気持ちが何年もくすぶっていました。

 

私の持っている国家資格は

あん摩マッサージ指圧師

はり師

きゅう師

柔道整復師

の4つです。すなわち免許となります。臨床現場で具体的に使うのは最初の3つ。急性外傷やスポーツ傷害の患者さんが来たときは柔道整復師の技術・知識を動員しますが、日常的に使用するのはあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の技術。あん摩マッサージ指圧師は按摩(あん摩)、マッサージ(massage)、指圧の3つの異なる技術体系があります。一つの免許にしていますが元々は別々のものです。そして一般的に鍼灸師と一まとめにしてしまいますが免許上ははり(鍼)ときゅう(灸)が分かれています。

よって

按摩

マッサージ

指圧

の5つがベースとなる技術となります。

このうち最初の4つ、すなわち灸以外はある程度のレベルにあると自負しています。自分自身で納得できるというか。灸だけが直接灸ができていないという気持ちがあります。ずっとこれではいけないと思いつつ、後回しにしていました。反対に灸のレベルが上がると5つの技術が相互に組み合わさりより高いレベルの臨床能力が持てると期待があります。

 

そこでやっと今年に入り本腰入れて直接灸の練習を始めたのでした

 

昨年から今年2024年のテーマは『灸術を高める』にすることを決めていました。昨年のうちから母校の卒後セミナーに参加して灸講座を受講しました。実際に開業している鍼灸師の直接灸を体験してきました。何より今年は竹筒を持ち出して艾を捻る、点火するという基礎練習を始めました。この竹筒は20年前に東京医療専門学校(現・東京呉竹医療専門学校)入学時に配布されたものです。お灸セットの入れ物もそうです。20年処分せずに残しておきました。1年生の時を思い出して地道な練習を始めました。

 

直接灸の行程は以下の通り。

艾を捻る

捻った艾を皮膚の上に置く

艾に線香の火で点火する

燃える艾の処置

大きく分けてこの4つです。

まず①の艾を捻る。これは20年前の入学当初、最初の実技課題でした。米粒大(べいりゅうだい)という基本の大きさにして綺麗な円錐形の形に艾を捻る。結構、いやかなり難しいのです。他には半米粒大、糸状灸などがあります。艾を綺麗に捻ることが最初の課題です。地道に何度も何度も捻ります。

次に②捻った艾を置く。竹筒、紙、皮膚など色々ありますが艾が立たないといけません。倒れてはいけないのです。きちんと立たせて置くことがかなり難しいのです。紫雲膏という軟膏を皮膚に付けるとその粘りで容易に立たせて置くことができます。灸点紙を使うと皮膚そのものより立ちます。きちんと艾を立たせて置くことを安定してできるように練習しないといけません。

艾が立ったたら③の線香での点火です。このとき線香の灰によって艾がくっついてしまい浮くことがあります。これを提灯とよんで失敗です。点火して艾が落ちてしまうと患者さんの皮膚が火傷することがあります。また線香が皮膚に近付き過ぎると熱いですし、線香の灰が落ちてもいけません。火が付いている線香の扱いにも技術と注意が求められます。

そして艾に火を点けたら指で挟んで熱を緩和させます。これが④の行程です。火を点けてほっておけば艾は完全に燃焼します。皮膚表面で燃え尽きます。艾の状態によりますがかなり熱いです。熱いから痛いくらい。そうならないように熱刺激量をコントロールするのです。これも大事な技術です。

 

この①~④の行程をスムーズに正確に、何より安全に行うことが大事です。細かい技術が求められます。患者さんの皮膚の上で行う以上、火傷の危険がついてまわります。艾がきちんと捻られる。それを皮膚の上に置ける(立てられる)。火が付いて煙が出ている線香を近づけて艾を点火する。燃えた艾を管理する。術者の指も燃える線香と艾が近くにあります。燃えている線香が患者さんの皮膚と接触したら大問題です。このようなリスクがあるためやってきませんでした。

鍼灸師と修行を始めた職場で直接灸をしなかったことも影響しています。元々鍼灸に憧れのなかった私は学生時代に臨床で使うための練習をしてきませんでした。職場での経験が一番の練習でした。そこで鍼を日々することで上達しました。現場で磨きを掛けました。半面、お灸に関しては台座灸(達磨灸)ばかりで艾を捻る直接灸はほぼやっていませんでした。新卒(ルーキー)時期にやらなかったことが十数年後も関係しています。その負い目を払しょくしようと今年から練習、体験を重ねています。年月を経たことで優秀なきゅう師とたくさん出会い、現場で行っている(練習ではない)灸を見る、受けることができる環境になりました。苦手意識が強かった直接灸も感覚が掴めてきて指や手がスムーズに動くようになってきました。実践練習を重ねながら患者さんにも行う機会を増やしています。

 

今年2024年中に直接灸、そして灸術全体を自身で納得できるレベルに引き上げます。ずっと後回しにしていた宿題に取り掛かっている気分です。

 

甲野 功

 

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