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~実写ドラマ「ケンシロウによろしく」を本職のあん摩マッサージ指圧師が視聴した~

ドラマ ケンシロウによろしく
ドラマ ケンシロウによろしく

 

 

一世を風靡した少年マンガ『北斗の拳』の主人公ケンシロウに憧れた少年が母を奪った男に北斗神拳で復讐するため人体やツボについて研究を重ねていく過程で気が付いたら国家資格の“あん摩マッサージ指圧師”になり凄腕マッサージ師になっていたというところから始まるマンガ『ケンシロウによろしく』。はっきりとあん摩マッサージ指圧師になるという描写があり、作中に出てくる経穴(ツボ)は全て名前も位置も正確。さらに主人公の沼倉はあん摩マッサージ指圧師の他、鍼灸師と柔道整復師も取得していて私と同じ。年齢も同じ40代という設定。単行本が発売されてからは発売毎に購入して作中の経穴や専門知識について書いてきました。基本はナンセンスなギャグマンガなのですが非常に取材をよくしていることが、本職の目でみると、読み取れるところがたくさんありました。作品は完結し連載は終了しています。最終巻が出たところで私の~「ケンシロウによろしく」を本職のあん摩マッサージ指圧師が読んでみた~シリーズも終わりました

 

マンガの最終巻が出る前に実写ドラマ化されました。動画配信サービス「DMM TV」のオリジナルドラマとしてドラマ「ケンシロウによろしく」が製作されました。脚本に原作のファンだと公言するバカリズム氏。主演に松田龍平さん、ヒロイン役に西野七瀬さん、復讐相手に中村獅童さんという俳優陣。そして有料コンテンツだったのがテレビ東京で2月21日から最終回まで地上波放送してくれました。

 

テレ東 BSテレ東 ケンシロウによろしく

 

原作のマンガを全て読んだ本職のあん摩マッサージ指圧師が視聴した実写ドラマ「ケンシロウによろしく」。全編通してどのような感想になったのでしょうか。書いていきます。

 

実写ドラマの特徴は映像として動くこと。マンガでは一コマずつ静止画を頭の中で動きを補完してみていきます。映像になると連続で動きます。そして音があります。セリフは、文字を目から読むのではなく言葉を耳から聞きます。マンガではフォントや大きさなどで表現される口調や雰囲気を、映像では生の音で行います。もちろんBGMや日常の音も入ります。そして映像であってもアニメと実写では違うのが実際の俳優が演じるということ。アニメーションなら好きなように描くことができますが俳優が行う演技には限界があります。原作がリアルな画風なので違和感が無かったのですが、通常マンガを実写化するとマンガのビジュアルに寄せるためコスプレ感が出てしまいます。原作も『北斗の拳』のコスプレをしているのでより違和感が減っていました。

 

脚本に関してはほぼ原作通りでした。まだ完結する前にドラマ製作となったので最後の方のエピソードは採用されず。また削られたエピソードもありました。それはドラマのボリューム(話数)やロケセットなどの条件があったことでしょう。原作に流れる、真面目にストイックにくだらないことをやっていくという姿勢、ヒロインだけが真っ当な常識人で沸き起こる珍事に対してツッコミを入れる、というベースが守られていました。今はほとんどなくなりましたがドラマ化、アニメ化する際に勝手に作品をいじくりまわしてしまうことが無く、原作へのリスペクトがある内容だと思いました。最近マンガ原作者が実写ドラマ化への脚本改変をきっかけに亡くなってしまった事件があっただけに、本当に良かったです。

 

本職として注目したのは“きちんと”指圧や按摩をするシーンです。基本ギャグマンガなので現実は不可能な(理不尽な)押し方や揉み方が登場します。その際には編集された演出が入り指が残像現象を起したり、画面に過剰なエフェクトが登場したり、BGMが流れたりします。ただきちんと指圧をするシーンがあり、そこに注目しました。というのも事前の情報であん摩マッサージ指圧師専門学校での授業シーンがあり、撮影場所として母校の東京呉竹医療専門学校校舎が、指導教員として私が学生時代に指圧を習った先生が登場することを知っていたからです。主演の松田龍平さんもインタビューで撮影時に本職の指圧師がそばにいて指導を受けたと語っていました。第1話で西野七瀬さんが学生で指圧の実技授業を受ける場面があり、あまりにも20年前に受けた授業に近くて感心しました。原作は私が知る限り最も真摯にあん摩マッサージ指圧師の技術について向き合った作品で、実写ドラマでもそこは押さえていることが分かり嬉しかったです。国家資格免許も本物そっくりの小道具を用意していて。ちなみに原作では本物が「“東洋”療法学校協会」とするところを「“東西”療法学校協会」と表記してあります。

 

続いてツボについて。数多のマッサージやツボに関するマンガ作品があります。『北斗の拳』の“経絡秘孔”というのも架空のツボです(厳密には原作には3つだけ実在する経穴が含まれていますが)。だいたいが架空でそれっぽいツボをしています。『聖闘士星矢』に出てくる“真央点”は押すと大流血でも直ぐに止血できる便利なツボ。位置としては壇中のことでしょう。『グラップラー刃牙』に登場する“三陰光圧痛”。これは実際にある三陰交とほぼ一緒。三陰交も思いっきり指で押すと激痛が走ります。これらのように知ってか知らずか架空のツボを出すことが多いのですが原作「ケンシロウによろしく」では正確な表記と場所でツボ(経穴、奇穴)を登場させています。中には私も知らなかったツボ(奇穴)や意表を突かれる配穴(症状に合わせて複数の経穴を組み合わせること)が出てきて素直に勉強にもなりました。ドラマでは映像の利点として演出が加えられて経穴が紹介されていました。イラストと実際の俳優の身体を比較していることに満足しました。

 

一般視聴者からすれば人気俳優、人気脚本家のコメディドラマに映ったことでしょう。本職のあん摩マッサージ指圧師である目が入ると細かいところまでこだわって専門性を高めることはきちんとやっていることが分かった作品でした。実写ドラマ化してくれてありがとうございました。

 

甲野 功

 

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