開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
あじさい鍼灸マッサージ治療院があるのは住所でいうと東京都新宿区市谷甲良町。最寄り駅でいうと都営大江戸線牛込柳町駅。市谷とつくのでJR総武線と地下鉄が通る市ヶ谷駅が近いと勘違いされるのですが市ヶ谷と市谷は違います。市谷甲良町、市谷加賀町、市谷柳町など市谷に○○とつく町名があるのです。さらに甲良町というのも知名度が低く、江戸時代に棟梁の家系である甲良氏の屋敷があったからこの地名があります。なお甲良氏の初代は滋賀県甲良町の出身であり、滋賀県が本家といえるかもしれません。また都営大江戸線が全線開通したのは2000年12月。20世紀の末に牛込柳町駅が始まりました。都営大江戸線は比較的新しい路線であるため、都内の人間にも認知度が高くありません。牛込柳町という、実際にある住所は市谷柳町であり、絶妙に分かりづらいところがあります。なお牛込というのは旧牛込区に由来し、明治の東京府東京市だった頃は牛込区、淀橋区、四谷区に分かれていて戦後に3区が統合して新宿区になります。更に余談ですが現在大ヒットしているアニメ映画『鬼滅の刃 無限城編第一章』。人気キャラの我妻善逸は公式の設定で東京府牛込が出身となっています。そして柳町というのは柳がたくさんあったから。なお都営大江戸線で牛込柳町駅の隣は牛込神楽坂駅。神楽坂という圧倒的ブランドに目がいき、隣の牛込神楽坂駅に降りてしまい長い時間をかけて来院した方が何名がいらっしゃいます。
私が大学生の頃は牛込柳町駅がなかったので最寄り駅は東西線神楽坂駅、都営新宿線曙橋駅のどちらかでした。都営バスを使った方が便利でした。そこで他人にどこら辺に住んでいるのかと聞かれると神楽坂だと答えるようにしていました。歩くと結構距離があるのですが。新宿区だと範囲を広げるとだいたい新宿駅周辺を想起し、さらには歌舞伎町を想像するので、「人が住むところがあるのですか」と驚かれてしまいます。かつてはフジテレビのそばという言い方ができていましたがお台場に移転。もう神楽坂でないと分かってもらえません。そのような経緯から何となく神楽坂が地元だということにしてきました。そして神楽坂のお店を日々チェックして、何か聞かれたときに答えられるようにしています。
神楽坂でケーキを買うなら?という質問。これが結構難しいのです。古都神楽坂は和菓子の名店が多いのですが洋菓子はそこまで多くありません。和菓子は老舗といえる創業うん十年という風格があるお店が多数あります。これがケーキとなると思ったより多くありません。果物、パン、チョコレート、喫茶店など近いものは頭に浮かぶのですが。何より無くなってしまうのです。過去にいいなと思っていても閉店してしまう。神楽坂上という大久保通りを挟んで東西線神楽坂駅側のエリアには「ぼんりびえーる」と「メルベヴェイユ」という確固たるお店があります。神楽坂上は地元の商店街という感じなのでお店が安定している面があります。一方、大久保通りを挟んで飯田橋駅よりの神楽坂下。こちらがよくテレビで目にする方なのですが、人気がある分、入れ替わりが激しいです。飯田橋駅の方までいけばまた違うのですが、ザ・神楽坂と皆さんが想像する神楽坂下エリアのケーキとなると候補が減ってきます。レストランで食べるというのなら別です。持ち帰りのいわゆるケーキ屋さんとなると。
そのような状況で神楽坂下で紹介するのがアマリージュです。
こちらは目抜き通りから少し入った路地にあります。神楽坂と言えば入り組んだ路地が特徴で石畳の道も多いです。京都祇園に似た雰囲気があります。アマリージュはそのような路地に路面店としてあります。
屋号にNYすなわちニューヨークとあるようにルーツはニューヨークにあります。アメリカのニューヨークでデザートバーというジャンルを初めて開拓した日本人女性シェフであるチカ(千加)・ティルマン氏がオープンさせました。それがチカリシャス(ChikaLicious)。チカという名前とデリシャスが組み合わさっているのが想像できます。ChikaLiciousで現在、日本でただ一つのお店がアマリージュ(AMARIGE)というわけです。アマリージュとはスイーツの甘い(アマイ)とそれに合うものを融合(マリアージュ)させたという、スイーツブランドになります。正式名称は『ChikaLicious NY amarige KAGURAZAKA』です。
神楽坂は伝統の街ですが、異国情緒でいうとフランス色が強いです。フランス人が多く住んでいます。そこにアメリカニューヨークを押し出しているのです。それを本多横丁通りという神楽坂下の路地に店舗を構えるという。店構えも地域に溶け込みつつも目立っています。
なお最初から神楽坂にあったわけではありません。まず2011年に日本に初上陸しました。そのときは表参道に出店です。神楽坂よりイメージが近いかもしれません。そして2015年に牛込神楽坂駅の近くに移転しました。神楽坂と牛込神楽坂駅はそう遠くはありませんが街の印象がかなり変わります。駅名に神楽坂と付いていますが地元の私にとっては別ブランドという感覚です。神楽坂に移転したのが2016年。しかし道路拡幅などの都市計画などの関係で2020年に現在の本田横丁に移転しました。2020年というと。新型コロナが大流行し、緊急事態宣言が発令された年。東京オリンピックも延期となり、社会環境が大きく変わった年です。この頃に私は初めてアマリージュを認識しました。人が消えた町。経済が止まる。かつて人で溢れていた神楽坂が閑散としている。神楽坂の行く末が不安でよく観察していました。実際のところ、2020年だけではありませんが、神楽坂の名店が多数閉店していきました。反対にこんなお店が新しくできたのか、という見方をしたのがアマリージュでした。それ以前の店舗を認識していなかったのでした。だから新店舗なのだと最初は勘違いしていました。
新型コロナから中食(なかしょく)が大いに流行りました。中食というのは、レストランなどで食事をする外食と、自宅で食事を作って食べる内食との、中間に位置する食事スタイル。弁当や総菜を購入して自宅、あるいは職場で食べること。もはや死語になりつつある三密を避けるために食事を買って帰り自宅で家族で食べることが急激に増えました。神楽坂のレストランでもそれまでやってこなかった持ち帰り商品を店頭に並べていきました。その結果、実際の食事を店内に入ることなく確認でき、かつ店内で食事するより割安で食べられることになります。コロナ禍の副産物でした。アマリージュも店頭販売がメインなので上手く環境にマッチしたのだと思います。一時期は公共交通機関を利用するのも抵抗があったので自転車で買いに行ける距離できちんとしたケーキを食べることができることが重宝しました。
価格もお手頃なものからそろっています。ホールサイズや高級な高価格帯の商品もありますが、日常のささやかなご褒美になるようなケーキも充実しています。当院に勉強に来る学生さんに出すこともあります。何度も来る方にはいつも同じところのものだと悪い気がしてしまし。地域を紹介する意味もあり、レパートリーを増やすようにしています。神楽坂のケーキという点でアマリージュは重要な候補となっています。
苦しかったコロナ禍を乗り越えて神楽坂で定着しているスイーツ店、アマリージュ。神楽坂の路地裏にあるお店です。
甲野 功
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