開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:[email protected]
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202

先月、以下のような報道がありました。
毎日新聞 「もっと可愛くなれる」 整体で女性客の胸触った容疑 院長逮捕
2026/6/18 16:01(最終更新 6/18 16:02)
この手の報道はよくあるのですが、よく見るとおかしなことがあることに気付きました。
事件は東京都新宿区で起きました。当院のある新宿区です。よく記事を読むと西新宿にある鍼灸整体院で院長が女性にわいせつな行為をしたとして逮捕されたといいます。世間の人は気に留めることはないと思いますが、表題に「“整体”で女性客の胸触った容疑」とあるのに屋号が“鍼灸整体院”という。鍼灸師は国家資格であり、保健所の指導の下、開設できる施術所で行います。一方、整体とは国家資格ではなく、いうなれば誰でも名乗れるものであり、国家資格の鍼灸とは混ざるものではないし混ざってはいけないもの。昨年2月に厚生労働省から正式派出された「あはき・柔整広告ガイドライン」でも国家資格者(※具体的にはあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師)が運営する施術所で非国家資格の施術をしている広告は規制対象ですし、屋号を混ぜることはできません。本来、鍼灸整体院というのは矛盾した屋号であります。過去にはきちんと指導も理解もされてこなかったので現状このような屋号が存在しますが、現在は、新しく場合する場合は不可となります。なお移転する場合も新規開設扱いになるのでその時に屋号を変更するように指導されます。同業者だからこそ気になる点でした。
実際に保険所の登録はどうなっているのか調べてみました。新宿区のホームページには医療機関関連施設の一覧を公表しております。
新宿区ホーム くらし 健康・医療・衛生 生活衛生・動物 医薬衛生 施設一覧(医務関係施設・薬事関係施設)
この中に施術所一覧があり、毎月10日に2ヵ月前末時点の情報を公開しております。
つまり7月10日に6月30日時点の情報が公開されます。今日7月4日時点で5月31日現在の施術所の情報が一覧で公開されています。施術所とは具体的にあん摩マッサージ指圧院(マッサージ院、指圧院など)、鍼灸院(はり院、きゅう院など)、鍼灸マッサージ院、柔道整復院(接骨院、整骨院など)をいいます。法的に開業権が認められている医療系国家資格の中に
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師
・きゅう師
・柔道整復師
の4つがあります。もちろん医師、歯科医師にも開業権があります。施術所というのは病院・診療所・クリニック等の医療機関ではない、上記4資格の者がその業務を行う施設をいいます。
施術所の分類(※一覧では診療科目と表記)として
・あん摩
・はり
・きゅう
・柔道整復
の4種類があります。あん摩とはりときゅうは一緒にすることができます。私があん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の資格を持っているので、あじさい鍼灸マッサージ治療院は“あん摩、はり、きゅう”の分類になります。なお柔道整復を一緒にすることはできず、私は柔道整復での施術所を開設していません。解説するならばあじさい鍼灸マッサージ治療院とは別に「あじさい接骨院」として開設届を出して保健所の審査を通らないといけません。
そして報道にあった鍼灸整体院を調べてみると、保健所の登録は○○治療院になっています。過去の情報が残っているのではありません。既に述べたように新宿区の保健所は毎月データを公表しています。昨年は百を超える施術所が廃業しており、これは保健所が既に廃業したものの手続きをしていない施術所を全てチェックしたものだと思われます。昨年5月には当院に紹介したあはき・柔整広告ガイドラインが施行されている旨のハガキが届いているので全施術所を対象に確認したのだと考えています。また別の施設かと思いましたが報道にある住所と一致していますし、開設者と逮捕された者の名字も一致しています。つまり保健所には治療院という屋号を出しながら、看板は鍼灸整体院として掲げていたことになるのです。これは虚偽にあたるでしょう。
さらに保健所の登録ではあん摩、はり、きゅうとあるのであん摩マッサージ指圧師免許を持つ者が開設者になっているはずなので堂々とマッサージを標榜できるはず。それを鍼灸マッサージ院とせずに鍼灸整体院と掲げていることに私は嫌な気持ちになります。
そして報道された屋号で検索をするとホームページが出てきました。現在は消えていますが。そこに掲載されている院長は名字が保健所データの開設者と同じですが下の名前が違います。そして報道では整体でとあるので開設者と現在の院長は別で非国家資格者が逮捕されたのかと、若干、考えました。しかし別の報道で同一人物であることを知ります。
産経新聞 治療を装い女性にわいせつな行為をした疑い 東京・新宿の鍼灸院院長を再逮捕
やはりホームページに掲載された名前は本名とは異なっていました。保健所に開設者として登録してある氏名が本名。活動しているときは、名字は同じですが下の名前を変えていたようです。このことから逮捕された院長はあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師免許を取得していることも分かります。どういうつもりでこのようなことをしていのか私には分かりませんが、嫌な気持ちになります。病院の医者が本名ではない名前の名札をしているでしょうか。小学校の担任が本名ではない名前でしたということがあるでしょうか。国家資格を持った者で保健所の許可を得て行う場所で屋号も院長の名前も変えていたというのは。私の持つこれらの国家資格は通称、「あはき法」と言われる法律で規定されているのですが、このあはき法は“身分法”に分類されます。どういうことかというと、単なる業務の取り締まりを規定する“営業法”ではなく、国家資格保持者であることを明確にするということ。かつては営業法だったあはき法1951年の法改正によって、身分法としての性格が明確にされました。身分法で規定された国家資格免許である以上、逮捕などで報道される場合には国家資格の肩書が出されるのが通例です。
さらに後日、週刊文春での報道がありました。
「この客は嫌がらなかった」「もっと触れる」女性客の胸を揉み逮捕された鍼灸師(55)の“卑劣すぎる”日記の中身
ここでは鍼灸師として報道しております。あん摩マッサージ指圧師が抜けているのは意図的なのか不明ですが。また本名とは異なる名前を名乗ったことも記事に書かれています。逮捕にいたった容疑内容も悪質ですが、屋号と名前を変えているところに私は特に嫌悪感を覚えます。鍼灸師であるのに逮捕されたときは整体師と思われる。本名と表に出ている名前は違う。保健所に登録した屋号とは異なる看板にしている。予防線を張っていたように感じます。なお報道された屋号そっくりの○○整体院というが実在し、現在も営業しております。きちんとニュースを見ていないとこちらの整体院の院長が逮捕されたと勘違いする人がいるでしょう。
報道で明るみになった本題とは別の虚偽。
甲野 功
コメントをお書きください