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~学連ダンサーへの助言 足指を活かす~

社交ダンサーケアを目的として来院されている競技選手に対して行っているアドバイス内容を、毎回一つのテーマに絞って書いていきます。

 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 ホールド
ホールドイメージ

 

足の指まで意識しているでしょうか?

 

学連選手では3、4年生になれば下級生の指導をすることが当然あると思います。そのときに「指先まで意識して!」と後輩に注意しているのではないでしょうか。


では聞きます。あなたは足の指先まで意識してダンスをしているでしょうか


治療院で見させていただいた学連選手のほとんどが、足指をあまり活用して動いていない、もしくは使っているけれど意識があまりしていない、という感想を持っています。

足指を意識するとはどういうことでしょうか。ダンス上達のヒントになるかと思います。スタンダード、ラテンに分けて説明します。

 

<スタンダード>
ボールバランスという言葉があるように、足の裏(解剖学用語では足底といいます、以下足底と表記)の指の付け根あたり「ボール」と言われる部分で立つ、と習うかと思います。ボール、ヒールを使ってフロアーからの力をエネルギーにして体を進めますが、補助として足指を使った方がうまくいきます


具体的には、リーディングフットがフロアーに接地したとき、サポーティングフットで体を送り出すとき、フットライズをするときに足指を活用するとダンスが繊細になり動きやすくなります。

 

リーディングフット
トーからフロアーに接地する際にすぐにボールに乗ってしまうと衝撃が上に伝わりやすく、勢いを吸収する・次に繋げる・運動方向を変えるといった動作の妨げになることがあります。これらができずバランスが崩れてしまうことが怖くて1年生の最初は体を大きく動かすことができないことがままあります。


このときに足の指で先にフロアーを捉える、掴む意識があればボールの前段階に、もしくはボールと同時にフロアーにつくことで緩衝材になります。


具体的にはスローフォックストロットのフェザーフィニッシュでリーダーの左足は親指、右足は小指・薬指からついてその後他の指を使ってフロアーを掴みボールに乗ってくるとスローフォックストロットらしい滑らかさが表現しやすくなります。ステップを覚えたての1、2年生が踊るとピョコピョコと上に跳ねているように見えるのはボールだけを使っていることが要因の一つでしょう。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 足の指でフロアーを掴む
フロアーを掴む

 

 

サポーティングフット
サポーティングフットで体を送り出すときはボールを使って進みますが、更に足指まで使って送り出すとパワーが出ます。私が学生時代にOBの先輩にシューズの裏が見えるくらい出せ(足を送れ)と言われたものでした。シューズの裏が外に見えるくらい使うとなると自然と指まで意識しないといけません。また送り出す前に指を使ってフロアーを掴んでおくとやはり力強くなります。

 

余談ですが、ずいぶん前には指ウォーク練習というものが練習会でありました。これはシューズを脱いでフロアーに立ち、足指の力だけでちまちまと進む練習方法です。とても地味なのですが、それをした後のダンスでは1年生の移動距離が目に見えて大きくなったものです。
すぐに消え去った練習方法ですが今でも有効なやり方だったと思っています。

 

同じく余談ですが、学生時代スタンダード専攻だった私は足指を使うことは理解していましたが、一番足指を使う瞬間はどこか悩んでいました。当時、教えてもらった解答は踊っている最中の中間バランスになり一番足を開いているとき、とのことでした。つまり一番動こうと足を開いているときに足指を使って踊るということ。この疑問は次のライズの話に繋がります。

 

フットライズ
フットライズする際には足指でライズをするとより高い位置まで身体を持っていくことができます。

 

ただしこれは少し説明が必要です。

 

ライズ時に足指まで使ってライズすると足指を使うことで筋肉が緊張し膝がロックされてしまいます。そのためライズで棒立ち状態になり、次の動きに入りづらくなります。
これが私が学生時代の疑問で、全力でフットライズをして足を揃えると(ワルツのナチュラルターンの終わりなど)次の動作(具体的にはロアー)がスムーズに行きません。その悩みが足指を一番使うのはフットライズの時ではないのか、という疑問になりました。答えは先に書いた通りです。基本的にはフットライズ時は指をフリーにしておき、ボールでフロアーに立つように習いました。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 足指を使わない
足指を使わないでつく

 

ところが今は、”よりスポーティー”に社交ダンスをみせようという流れがあり、指を使った、もしくは指でライズをするダンスが出てきています。実戦でこのように踊るためには、足指そのものが強くなければいけませんし、太ももや足首更には上半身までにも強靭な筋力が必要になります。今の学連でもできる人はできているのでフットライズ時にも指で体を支える気持ちが必要だと考えています。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 足指を使ってライズ、送る
足指を使ってライズをする、もしくは体を送る

 

<ラテン>
たまに後輩の練習会を見に行きます。ラテン練習会では必ずパートナーの足指の先をチェックしてしまいます。ラテンサンダルだけは足指が外から見える構造になっているからです。モダンシューズ、リーダーのシューズではできません。


このとき上手なパートナーは足の親指まで使っていることみてとれます。力が入ると爪の色が変わるので分かりやすいです。
習いたての1年生の始めや、もうラテンを諦めたと思われる選手はただ指があるだけです。力も意識も神経も感じられません。また今はうまく踊れない1年生でも足指を使っている、使おうとしている選手は後々上達していくことが多かったです。

 

ラテンにおいても送る際に足指を意識するとボールに加えてもう一段階使える部位が増えるのでパワーと繊細さが出ます。レギュラー戦ファイナリストクラスでも足指に神経がいくようにトレーニングをすると、骨盤のローテーションがよりスムーズになるものです。足先まで意識することで股関節が動くようになるのです。

 

ここでも余談ですが、私が学生時代、練習会で理科大の先輩からはよく「突き刺す!突き刺す!」と言われたものです。足をつくときにフロアーに突き刺すように鋭く足を使えという意味です。これも突き刺すならば先端は細い方が刺さるわけですから指先を尖らせてフロアーにつくという意味だと解釈していました。足指を意識して足を出すと足首がストレッチされて下半身にテンションが生まれます。

 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 指先まで意識
足の指先まで意識をする

 

 

<練習方法>
足指を使うためにはどのようなことをしたら良いのでしょうか。
一つは神経を巡らせて意識できるようにする。もう一つは動くように鍛える、です。

 

神経を巡らせるというのは足指を使うのだと脳に教えることです。
昔は下駄や足袋で舗装されていない道を歩いていたおかげで日本人は足指が強かったしよく動いたそうです。靴の文化が入り、道がアスファルトで舗装されて歩きやすくなるにつれて足指は使われなくなり退化していきました。
今の学連選手も個人差が大きく、足指が全然動かない人、小指の爪がほとんど無い人がいる一方、よく発達している人もいます。


体育大学出身で子どもに運動指導をする知り合いのトレーナーが言っていましたが、子どもの足を速くさせたいならばなるべく裸足で生活させて、赤ちゃんのうちから足底や足指を触って刺激してあげることが良いそうです。使う場所だと発達段階で教えるわけですね。
うちの治療院では足指の抵抗運動を行うことがトレーニングの一つ。私にやらされた選手、指を押さえられて曲げようと力を入れたあれのことです。神経を巡らせるリハビリに使うテクニックを応用しています。

 

次に動くように鍛える方法です。
あじさい鍼灸マッサージ治療院ではバランスパッドがあるのでそれに乗って指で掴む練習をすることができます。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 バランスパッドを使った練習
バランスパッドを使った練習

 

器材がなくとも以前紹介したタオルギャザーを行うことで鍛えることができます。


そして足指のグーチョキパー。これは何も器材が必要ないので暇なときにできる訓練になります。細かく説明しましょう。

 

・グー
全ての足指を全力で曲げて拳のように見えるまで曲げこみます。MP関節という指の付け根までしっかり曲げることが大切です。この動作は足底の縦アーチを強くします。足底は内側・外側縦アーチ、横アーチの3つのアーチがあり、この構造で歩く時の衝撃を吸収しています。グーを作ることで縦アーチが強化されます。足底はフロアーを捉えるセンサーの役割があるのでアーチをしっかり作ることの点でもダンスに役立ちます。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 足指運動グー
足指でグーをつくる

 

・チョキ
これは親指だけを伸ばして他の指(人差し指、中指、薬指、小指のこと。以後四指と記述。)を曲げること。親指だけを自由に動かせるようにする効果があります。
四指にくらべて可動域も力もはるかにある親指。運動全般に必要な部位です。親指を自由に使えるようにするため、足指でもサムアップできるようにしましょう。

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 足指運動チョキ
親指だけを立てるチョキ

 

 

・パー
足指全てを横に開きます。このとき小指・薬指が外側に開かない選手がいますが、しっかり小指が外に広がるようにしましょう。グーチョキパーでは、パーができない選手が一番多いです。この動作は足底の横アーチを作る効果があります。スタンダードでは特に効果が高いエクササイズになります。 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 足指運動パー
全ての足指を広げる

 

 

足指は鍛えることで多くの事ができるようになります。反対に現代人は使う必要がないので衰える一方かもしれません。いつでもどこで訓練できる部位です。大学の授業中でも通学時間でも寝る前布団の中でもできます。


足の指を鍛えることでダンスが少し上達するはずです。

 

甲野 功

 

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