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~開業に向けて会計という壁~

会計学見るだけノート 小宮一慶 監修 宝島社
会計学見るだけノート 小宮一慶 監修 宝島社

 

鍼灸師という職業に就くと勤務鍼灸師以外に、独立開業という選択肢があります。もちろん組織に所属してずっと従業員として働く道もありますが、一旗揚げてみたいという気持ちになりやすい世界であることは前回書きました

 

独立開業したらよいのか悩むとしましたが、その理由に開業しても経営が成り立つのか、という現実的な問題があります。自ら理想の院を作る。これは一個人の夢、野望が大きい話。実際に始めてみて患者さんが来ない、定着しない、資金繰りが上手くいかない、といったことで続けることが困難になることもあります。誰でも開業すれば高確率で安定した収入が得られるのであれば、みんな悩まずにどんどん開業の道を選択するはず。私の場合も悩まずに、もっと早い段階で開業していたことでしょう。院を軌道に乗せるための障壁は大きく2つあると考えています。一つは会計、一つは経営戦略です。

 

今回は会計について書いていきます。 

鍼灸師に限らず、これまでの日本の教育制度では「お金」に対する学習はほとんどなかったと言えるでしょう。経済、経営を学ぶ学科は別として一般の大学において多くの学部・学科でも習いませんし、その前の高校や中学でもお金に関する授業はまずありません。ビジネスなり事業なりを興すということはお金のことがつきまといます。経営を成り立たせるためには避けて通れません。その基本中の基本となる会計について鍼灸師は(鍼灸師に限らないことかもしれませんが)馴染みがないのです。臨床のことは専門学校で習います。患者さんを前にして何をすれば良いのかを学びます。しかし確定申告の方法は習いません。厚生労働省からの指導要領に入っていません。これは一般の中学、高校でもそうです。仕事をする=どこかに勤めるという形式が一般化してしまい、会計は経理担当が行ってくるという前提になっています。どれだけ税金を支払っているのかも天引きでは把握しづいわけです。自営業なり会社を興すなりしたときに、会計のやり方を理解する必要に迫られるのです。

 

ある鍼灸マッサージ専門学校学生さんに、セミナーで習いたい内容を私の方からいくつか挙げてアンケートを取りました。そうしたら2番目に知りたい内容が「治療院の会計基礎」でした。その学生さんは卒業後は独立を視野に入れており、今のうちから会計、ひいては経営のことを知りたいということ。見方を変えると学ぶ機会が少ないと判断したのかもしれません。私自身もそうでしたが、独立するにあたって個人事業主としてやっていく上での大きな不安が会計についてでしたそれまでの経験で現場のことをある程度予測ができていました。経営方針も何年もかけて考えていたのでそれほど悩みませんでした。問題は確定申告ができるかどうか。そこが懸念材料でした。

 

それまできちんと確定申告をしたことがありませんでした。
調べてみると青色申告と白色申告の二つがあるだとか、売上と所得と控除という聞いたことがあるが理解できていない言葉がある、勘定や減価償却という初めて目にする用語、簿記の仕方など、分からないことだらけでした。初めての確定申告は本当に苦しんで体調が悪くなるくらいでした。専門学校の恩師によい会計士を紹介していただき(この方は今でもお願いしています)何とか確定申告を乗り越えた経緯があります。

 

自営業にとって確定申告は一番の業務証明になります
私のように個人で行っている場合、本当に働いているのかを証明するのは自分自身しかいません。客観的に証拠となるものが少なく、その一つが確定申告の書類になります。確定申告はきちんとしておくことが社会的な証明になります。

 

銀行に借入をする、融資をお願いするという場合には事業計画書や決算書が必要になります。その際に会計ができていないと書類が作成できません。誰かにお願いするにしても最低限の内容を理解しておかないと話し合いにならないはずです。開業して数カ月経てば初期投資分に加えて毎月の運転資金(ランニングコスト)がかかってきます。毎月必要な経費を把握するために会計業務は必須。経営状況を理解するツールでもあります会計上の数字と現金の流れ(キャッシュフロー)は異なることがあります。売掛金、買掛金がある場合、帳簿上では黒字でも現金が足りなくなって各種支払いが滞ることもあります。最悪、黒字倒産という場合もあるでしょう。

実務面で重要な会計の知識。いかに売上をあげるかは意識しても、お金の管理については考えが及ばないことがあります。税金のことも含めて最低限の会計知識を知らないと開業できません。しかし教わる機会がないので独学で学ぶか誰かに習うしかないのです。何事もそうですが、会計は実際に作業してみないと理解できないということが私の経験上の意見です。事前に何冊か本を読んで勉強をしていたものの、実体験が伴わいと腑に落ちませんでした。

 

開業を視野に入れる鍼灸師、鍼灸学生さんは後回しにしがちが会計の知識。そこを押さえておかないと長く続かないでしょう。また会計をすることで自身が持つ資産(リソースと言われるもの)が棚卸しできます。一見ガラクタのようなものでも武器になることがあります。当たり前だと思っていた人間関係が財産なのかもしれません。そういった視点を持つためにも開業を視野に入れたら会計を学ぶ姿勢があった方がよいのでないでしょうか。

 

甲野 功

 

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