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~鍼灸師同士の連携~

鍼灸マッサージ治療室らるく ちらし
鍼灸マッサージ治療室らるく

 

離れていても連携することができる。それを感じました。

 

本日、あじさい鍼灸マッサージ治療院に来院された新規の患者さん。その方について乃木坂の飯塚先生のご協力をお願いしました。
飯塚先生とは
南青山 鍼灸マッサージ治療室らるく
を開業している
飯塚聡先生
のことです。同じ東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科を卒業しています。

 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 飯塚聡先生
らるく院長 飯塚聡先生

 

 

 

まず当院へメールの問い合わせがありました。

ある症状に悩んでいて、それは鍼灸で改善するでしょうか?

という内容です。

 

どのような症状でもそうですが、必ず鍼灸で治ります・改善しますという回答はできません。してもいけません。会ったこともなく、状況を直接聞いたわけでもなく、検査データなどの情報もないままに「治ります」というのは医療従事者のやることではないです。
実際にみてみないと何とも言えないということと、鍼灸が体に及ぼす(であろう)仕組みを説明して回答しました。


その質問メールの差出人が今日来院された患者さんです。

 

その症状はもちろん知っていますが(むしろ私も軽微ですがあるもの)きちんと対応したことがありませんでした。
そこですぐに頭に浮かんだのが飯塚先生のことでした。飯塚先生はその症状の鍼灸治療を得意にしていたことを知っていたからです。患者さんの問い合わせに応える際に、その症状が得意な鍼灸師を紹介しましょうか?という提案をしました。

 

経営的なことを考えると自分のところで引き受けた方が良いですし、まずうちのホームページを見て連絡してくれたという患者さんの期待もあります。しかし実践経験が豊富な飯塚先生を紹介してお願いした方がその患者さんにとってはより良いであろうという判断で提案しました。その提案に患者さんも喜んでくれましたし、飯塚先生に相談すると受け入れ可能だと返ってきました。

 

しかし大きな問題がありました。
患者さんには小さなお子さんがいて、一緒に連れて行くことが絶対条件。それとお子さんのことも含めて長時間電車やバスと公共交通機関に乗っていられないという問題があります。
そもそも患者さんは「小さな子連れOK」という条件の下、近所の鍼灸を検索しました。患者さんの住むところから当院まで軽く10件以上鍼灸を行う施設はあるでしょうが、「子連れOK」と明確に出しているところが少なかったのでしょう。

 

飯塚先生にその条件を伝えると小さなお子さんが一緒という条件がネックになりました。また距離の面でも行きやすいということで患者さんは当院を選択していただきました。
その際に飯塚先生から「必要ならばうちのやり方を教えますよ」と素晴らしいお言葉を頂きました。
勝手に話を振っておいてやっぱりやめます、という私の身勝手な相談に、患者さんのためになるならばと手の内を明かしてくれるというのです。心意気に感動しました。

 

患者さんにはその旨を伝えて、飯塚先生の方法を聞いたうえで私が診るということになりました

場合によっては商売敵になる間柄の開業鍼灸師同士で連携ができることに心が躍りました

 

飯塚先生から配穴(どこのツボ=経穴を使うのか)や鍼灸の区別(鍼をするのかお灸にするのか)、刺激量などの情報をメールで頂きました。


そこで第一の問題が発覚します。
私は飯塚先生ほどお灸が上手ではない、ということを。

 

飯塚先生は教員養成科の2期下の後輩にあたります。初めてお会いしたのは教員養成科卒業研究発表会で飯塚先生の発表をOBとして聴いたときでした。
ちょうど私の1期下がとても斬新な新しい視点の研究発表をしており(発表前から賛否出ていました)、その内容を更に追求した研究でした。2年に渡る似たテーマ(しかも斬新という)だったので印象に残っていました。発表後にも研究内容についてメールで少し意見交換をしたものです。


その後、飯塚先生が開業したことを知った私は「鍼灸マッサージ治療室らるく」に行って飯塚先生の鍼灸を受けてきました。そこで圧倒的な灸の技術を身をもって知ったのでした。

 

いくら知り合いの鍼灸師といっても相談できる人とそうでない人はやはりいるわけです。
同じ学校を出ているということで習ったレベルがはっきり分かっている。
卒業研究発表の内容をみて芯のある考えを持っていると感じたこと。
何より実際に私が受けてみて、同業者として技術レベルを確認できている。
このような条件が揃っていたので飯塚先生に相談しました。

 

反対に飯塚先生も一度当院にいらっしゃって私の施術を受けています。お互いのことが分かっているからこそ治療方法を教えてくれたのだと思います。細かいことまではメールに書いていませんから、配穴や刺激量などから飯塚先生がどのような意図でこの方法をしているのかを読み取らないといけません。あまりに技術差、経験差があると伝えても無理があります。実際に受けているので想像できたことが幸いしました。

 

反対に、実際に受けたからこそ飯塚先生のようにお灸はできない、というプレッシャーがありました。飯塚先生は師匠についてみっちりと練習を重ねています。艾をきちんと捻って線香で火をつける昔ながらのお灸をします。正直なところ私にはあのレベルのお灸ができません。かといって勝手にやり方を変えて自分流にしてしまうのも教えていただいた飯塚先生に失礼です。可能な限りやろうとお灸の練習を事前にしておきました。

 

そして第二の問題が、小さなお子さんがそばにいるという状況です。
身体に刺さる鍼。火を使うお灸。どちらも子どもの手には触れられないものです。子どもがそばにいる状況でしっかりと鍼灸をするのはなかなか難しいのです。患者さんだけでなくお子さんにも注意を払わないといけません

 

小さなお子さんがそばにいる状況で施術をするのは慣れているのですが、がっちり鍼灸をするということは難度が上がります。何せ新規患者さんですからどのようなお子さんが来るのか分かりません。何でも触ってしまうお子さんだとかなり危険になります。
普段はベッドではなく床で行うところですが、手が届いてしまうのでベッドを使うことにしました。そうなるとママの顔や姿が見えなくて不安になり、泣きだす可能性が跳ね上がります。

 

2つの問題点を抱えながらもやり切りました。


技術面に関しては普段私が行う鍼灸とはかなり異なったやり方になりました。普段は使わない配穴。鍼の刺し方。灸の仕方。新しい技術を習得する気持ちで行いました。実は飯塚先生のところで鍼灸を受けてから、感化されてその直後に購入しておいた道具があり、買ったもののほとんど使ったことがなかったアイテムを使うようになりました。人によっては常識なのですが私にとっては未知のもので、タンスの肥やしになっていたものが活用できて良かったです。

 

お子さんについては概ね良い子だったのですが、途中から一人遊びに飽きてきて患者さんであるママに構ってもらいたいモードになりました。
マッサージもそうなのですが、鍼灸は特に子どもにとってママがいじめられていると目に映るようで怒ったり怖がったりすることがあります。
今日も「ママ、頭に何かついているよ」と頭に刺した鍼を抜かれてしまうというアクシデントがありました。ついつい患者さんと私の大人二人で注意してしまい、泣き出してしまいました。
そこで院内に常備しているおもちゃを教えて「このクルマ、人間に変身するよ」と教えて気をそらすことで機嫌を取り戻すことに成功しました。子どもの機嫌が良いうちに終わらせないと、と普段よりも手際よく動けたことは怪我の功名です。

 

 

今回は本当に「鍼灸マッサージ治療室らるく」の飯塚先生にお世話になりました


同じ鍼灸院のスタッフ同士というわけでもないのにこのような連携ができたことに感動しています。悪い表現をすれば、商売敵に飯のタネである技術情報を教えてくれたのです。自己の利益よりも患者さんの利益を選択してくれたことに感謝です。

 

そして飯塚先生が情報発信をしているからその症状が得意だと知っていました。そうでなければ相談しなかったでしょう。更に教員養成科卒業研究発表会に出席したり、実際に飯塚先生の鍼灸を受けてみたりしていなければ。なお飯塚先生とお会いしたことは3回しかありません。


互いに日々の活動が実を結んだことだと思います。

 

同じ業界ですが別々に活動していて利害関係が無いのに、患者さんのためイベントではなく本業の鍼灸において連携できたことに感動と感謝です

 

甲野 功

 

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