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~鍼灸マッサージ学生さんにリフレクソロジーを体験してもらった~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 リフレクソロジーの話 スライド
リフレクソロジーの話 スライド

 

 

少し前のことですが5月19日に鍼灸マッサージ専門学校の学生さんを招いてリフレクソロジーの体験をしてもらいました

 

リフレクソロジー足つぼといったりします。商業施設にお店があるので知名度があるかと思いますが、主に足の裏を刺激するものです。リフレクソロジーの語源は反射を意味するreflex、後半は学問や論を表す接尾後-logyをつけた造語です。足の裏を解剖学では足底というので、日本語にしっかりと訳すと「足底反射区療法」となります。足の裏に注目した技術でアメリカが発祥と言われています。リフレクソロジーの理論は東洋医学と似ているようで異なるルーツを持ち、あん摩や指圧・マッサージと同じような技術がありますがそのどれにも当てはまらない手技があります

 

以前から私と面識のある、ある学生さんが、足の裏や足の指に対することに興味があるようだったので「リフレクソロジーとはどのようなものかを体験しませんか」と声を掛けました。専門学校で解剖学、生理学、そして東洋医学の理論に経絡経穴を学び、あん摩、指圧、マッサージという徒手療法の技術を練習している学生さん。似ているようで異なる、それでいて世間に認知されているリフレクソロジーなるものを知っておくのは後々役に立つのではないかと私は考えました。

5月19日にもう一人別の学生さんと一緒にあじさい鍼灸マッサージ治療院まで来てもらいました。

 

まずリフレクソロジーの説明をします。

歴史や変遷を解説します。私も専門家として研究しているわけではないので、過去に習ったものとネットに出ている情報をまとめて説明しました。この時注目したのは、東洋医学でいうツボである経穴(そして経絡)とリフレクソロジーのツボにあたる反射区の違いを明確にすることです。そのため“ツボとはどのようなものか?”というところから話しました。鍼灸師が用いる経穴(けいけつ)には正穴(せいけつ)と言われる代表的なツボが決まっています。それは経絡(けいらく)と言われる気の通り道に存在します。なお経絡上にない経穴(奇穴など)もあり、正穴とは区別しています。東洋医学では足底(足の裏)には正穴が湧泉(ゆうせん)しかありません。また他に足底の経穴で主だったものは失眠(しつみん)という奇穴くらい。驚くほど足底に経穴が存在しないのです。足の指や足の甲、くるぶし周りには多数の経穴が存在するのに。鍼灸師が学ぶ東洋医学の本流には足底と耳たぶには経穴(正穴)がほとんど無いのが特徴と言えます。

 

対してリフレクソロジーは足底の反応を大切にしました。足の裏を刺激すると全身に影響を与えるとして、足底に反射区と言われるエリア、ゾーンを見つけるのです。この部分は頭、この部分は首、という感じに。このゾーン(反射区)を刺激すると、足底を刺激しているにもかかわらず他の部位に効果があるようだと。足の裏は全身に影響を及ぼす大切な部位として成立したのがリフレクソロジーと言えるでしょう。東洋医学との違いです。

 

そして経穴と反射区。どちらも刺激すると効果が見込めるという意味でツボとなりますが、経穴は位置だけでほぼ大きさの無い点。反射区はある程度の範囲がある面。数学的な表現をすると点は0次元面は2次元。経絡という気のルートを考えるとルート(線)は1次元。このような数学的な見方ができると考えています。経穴の場合は鍼という大きさがほとんどないくらい細いもので刺激するのが私達鍼灸師のベース。対して反射区は面であり広がりがあるのでそこまで厳密にしなくても刺激できることが、両者の比較になります。鍼灸の勉強をしている学生さんに数学的なツボの捉え方(経絡も含めて)を考えるきっかけになると思い、リフレクソロジーの反射区を引き合いに出しました。

 

次に足底を刺激する(足底にアプローチする)ことの意義を話しました。入院患者さん、特に重篤な疾患がある方でも足の裏はだいたい空いています。体中に点滴やセンサー、輸液のルートが繋がっていたとしても足の裏は何も無いことが多いです。ですから足底から全身に影響を与えることが期待できるという、リフレクソロジーの特徴を説明します。鍼灸師にも経絡を用いた遠隔治療というものがあり、足の経穴を用いて腰を緩めることや手や腕を刺激して首や肩へ効かせるということはよくあります。リフレクソロジーも反射区という考えを用いて足の裏から他の部分へ効かせることを期待しているのです。

また足の裏というのは人体でも特に頑丈なところであること。立位歩行では体重を受け止める場所ですから刺激に強い。本当はあってはならないことですが強い刺激を与えても揉み返しのような副反応が出ることが少ないのです。そのため割と技術が稚拙でも結果を出しやすいのです。

 

同時に人体で特に不潔な場所でもあります。靴を履いていても雑菌が増えやすい部分。そこを触ることで相手に一つの優越感を与える効果が副次的に生じます。その部分が変に肥大すると“JKリフレ”なる別方向に行く可能性もあるのです。今やJKリフレと聞いて女子高生がリフレクソロジーをしてくれることだと認識することはほとんどないでしょう。全く異なるものに変質していまいました。

 

これらのようにリフレクソロジーの成り立ち、ツボの話から経穴と反射区の違い、社会的なことなどを、スライドを用いて解説しました。続いて技術的なことを説明します。

 

訪れた学生さんは按摩、指圧、マッサージの技術を専門学校で学んでいます。あん摩マッサージ指圧師と3種類の技術を資格として一まとめにしていますが、実はそれぞれ技術体系が異なります。リフレクソロジーも足底を刺激するという事から独自の技法が生まれました。敢えて学校で習う3つの技法に無い手技をピックアップして説明しました。

 

座学の次は実際に体験してもらいます。片方の学生さんに私が手技を行い、もう片方の学生さんがそれを見学する。片足ずつ体験者を交換して行い、体験した技術と見学した技術がなるべく一致するように努めました。もちろん禁忌(やってはいけない相手、状況、状態)についても説明しました。タイでは国家資格免許を持っていない人が妊婦に足つぼマッサージを行って母子ともに死亡した事故があったことを説明しました。鍼灸師にとって三陰交(内くるぶしの上にある経穴)は子宮を収縮させるとされて妊婦には要注意であることは常識。足底が丈夫だとはいえ、危険なことが全くないわけではないことを強調しました。他にも飲酒した際にお酒の周りが非常に強くなることも話しました。他にも細かいことを幾つも説明しました。

 

学生さんにとって、鍼灸、あん摩マッサージ指圧を学んでいるからこそリフレクソロジーの相違点が明確になるかと思います。私の場合はリフレクソロジーを学んでから鍼灸、あん摩マッサージ指圧を学びました。その時に違うこと似ていることを考えながら身につけていった経験があるので、学生さん達にも同じ気付きがあればと願います。別の技術や理論を知ることで、本業で行うことの特徴(長所も短所も)を知ることができるのではないでしょうか。学生さんに新たな視点が生まれると嬉しいです。

 

甲野 功

 

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