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~京都 三室戸寺~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 三室戸寺
京都 三室戸寺

 

 

今年行った京都での紫陽花を巡る旅。その目的地で筆頭に挙がったのが三室戸寺です。全国的にも紫陽花の名所として知られています。紫陽花とは別に三室戸寺を紹介します。

 

京都・宇治 西国第十番札所 三室戸寺

 

三室戸寺があるのはJR京都駅からみて南側。宇治エリアにあります。京阪三室戸駅から徒歩15分。駅から近くて交通の便がいいとは言えませんが、オーバーツーリズムを引き合いに出される京都にしては静かな感じです。山寺と言える、本堂に向けて登っていき、想像以上の規模でした。西国第十番札所である観音霊場、明星山三室戸寺は観音応現の霊地。本山修験宗の別格本山の寺院。本尊は千手観世音菩薩ですが秘仏中の秘仏であり写真も公開されていません。

 

宝亀元年(770年)に光仁天皇の勅願により南都大安寺の僧行表によって創建されました(寺伝による)。光仁天皇は天智天皇の孫にあたります。毎夜宮中に達する霊光の正体を知るため、藤原犬養にその光の元を調べさせます。藤原犬養がその光を求めて志津川の上流へたどり着くと観音像を見つけます。光仁天皇がその観音像を安置し、行表を開山として、三室戸寺を創建しました。当初は御室戸寺といいました。書物によれば西国三十三所巡礼において最後の巡礼地でした。それから花山法皇がこの地に離宮を設けて西国三十三所巡礼の第十番札所とします。長和年間(1012年~1017年)に三条天皇により法華三昧堂が建立されます。白河天皇常行三昧堂を建立し荘園を寄進します。康和年間(1099年~1103年)に隆明大僧正が中興し隆盛に。その後、堀河天皇によって伽藍が増修されます。この頃に光仁天皇と花山法皇と白河法皇三帝の離宮になったことから、御室戸寺の御を三に替えて三室戸寺と称するようになります。寛正3年(1462年)には食堂より出火し多くの伽藍が焼失。文明19年(1487年)に園城寺阿弥陀院の壱阿によって本堂が再建します。天正元年(1573年)、織田信長に敵対した足利義昭の味方をしたため、寺領を没収されて衰退することに。しかし江戸時代に入った寛永16年(1639年)に道晃法親王によって復興されます。ところが明和年間(1764年~1772年)頃に本堂が再び敗退してしまい、文化11年(1814年)に再建されます。これが現在の本堂になります。長い歴史の中で幾多の興亡盛衰を繰返しながら今日まで残っているのです。

 

紫式部と宇治は密接な関係があります。紫式部の『源氏物語』が書かれた時代、宇治は貴族の山荘が営まれた勝境地であり源氏物語の最後十帖は主に宇治が舞台です(源氏物語宇治十帖)。作中に登場する山寺はこの三室戸寺のことではないかと言われています。

 

境内はとても広く高低差があります。本堂は文化11年(1814年)に再建されたもので京都府指定有形文化財に指定されています。重層入母屋造。元禄17年(1704年)に建立された高さ16mもの立派な三重塔も京都府指定有形文化財。もとは兵庫県の高蔵寺にあったものを明治43年(1910年)に参道西方に移設しました。昭和52年(1977年)に現在の鐘楼東隣に移されました。江戸時代におかれた吹き流し形式の鐘楼も京都府指定有形文化財です。本堂横は親鸞の父日野有範の墓があった場所を親鸞の娘がその墓を整備し、その上にお堂を建てて阿弥陀堂としました。本堂裏に建つのが十八神社。鎮守社で三室戸寺境内にありますが独立した神社で三室戸寺の所有ではありません。もともと三室村の産土神を祭る三室神社でしたが承和7年(840年)に円珍が山王信仰の十五神を合祀し十八神社と改めました。長享元年(1487年)に再建された三間社流造で国重要文化財です。

建物以外にも幾つも注目するものがあります。本堂前には兎の像があり狛兎です。宇治は兎と関りが深く宇治神社にも兎像があります。三室戸寺の狛兎は御影石製で高さ150cm・幅90cmと巨大なもので、幅60cmもの大きな玉を抱いています。そして狛蛇(宇賀神)の石像。身体は蛇がとぐろを巻き、顔は髭をたくわえた老人の姿。三室戸寺は蛇とも縁が深いといいます。源氏物語宇治十帖の登場人物である浮舟を祭る浮舟古跡と刻まれた浮舟の碑という古碑が鐘楼脇にあります。本堂の前は蓮園となっています。そして眼下には枯山水庭園と池泉回遊式庭園の与楽園が広がります。中根金作によって平成元年(1989年)に作庭され5,000坪もの広さがあります。1万株もの紫陽花が植えられています。庭園を周るのも一苦労なほどの広さで四季折々の景色をみせることでしょう。

 

想像以上に広い、また高さのある山寺である、三室戸寺。紫陽花の名所であることを抜きにしても素晴らしい名刹です。清水寺金閣寺平等院などに比べるとあまり知られていないので比較的落ち着いて参拝できるのではないでしょうか。

 

甲野 功

 

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