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~マッサージの話 手術後の後療~

※注意
マッサージというと衣服の上から揉むことを一般の人は認識しますが、国家資格であるあん摩マッサージ指圧師の分類では、それは按摩になります。

マッサージは肌に直接触れて滑剤(オイルやパウダー)を付けて滑らせる手技を指します。ここでいうマッサージは一般的にはオイルマッサージと認識しているものと受け取ってください。

 

医療資格に入るあん摩マッサージ指圧師ですが、そのマッサージには手術後のケアも範囲に入るのです。柔道整復師ですと骨折、捻挫の後の関節拘縮(関節が固まってしまう状態)に対する療法ということで後療という言葉をよく使いますが、マッサージは手術後の後療に適した技術であります。

 

手術と言っても定義は色々ありますが、観血療法と言われるメスなどの医療刃物を用いて行う治療全般を指します。血が出るので「観血」という言葉を使います。
日本では原則、医師免許を持つ人間にしか観血療法は認めてられていません。当然、素人が手術をすることなど許されていません。
鍼師免許を持つ場合は例外的に身体に鍼を刺すことが許されておりますが、故意に血を出すことは想定されていません。瀉血という血を意図的に出す手法が伝統的にあるのですが、議論が分かれるところです。

 

手術や観血療法について書いていくとキリが無いので話を戻します。

 

内視鏡でもメスで切開しても、皮膚をあけて内部にある組織に手を加えた手術をした後は大なり小なり後遺症が残ります。手術後直後から手術をする前と全く同じ状態というのは考えられません。


手術直後は麻酔が効いているでしょうが、その後は痛みがあることでしょう。
痛みが引いたあとは程度によりますが、関節や皮膚が固まって動かしづらい。
浮腫みが出現する、そしてなかなかひかない。
固定時期が長くなると筋肉が衰えて筋力低下が著しい。


これらのような事が起こってきます。

 

私は柔道整復師でもありますので外傷の勉強もしてきました。手術後の廃用性症候群という身体を使わない、もしくは固定されて動かせないことによって生じる問題は重大だと認識しています。


どうしても医師は手術の内容に注目しがちです。骨折ならば綺麗に骨がくっついているか。腫瘍であればきちんと切除できているか。繋げるべきところが繋がっているか、切除・排除すべき部分はきちんとできているか。そういった手術内容そのものに目が行きますし、それが責務です。
対して、手術後の回復を診るのは理学療法士や作業療法士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師といった医療従事者の存在が大きいでしょう。

 

手術後の関節が固まってしまうこと、それに伴う関節可動域の減少(うまく動かなくなること)、浮腫みといった後遺症に対してマッサージはとても有効です。オイルを使って流すことで関節拘縮や皮膚の引きつれを緩和させる効果が期待できます。強擦というマッサージ独自の技術はこのようなケースに本領を発揮します。
浮腫みに対しても、マッサージは本来静脈やリンパに対してアプローチするものですから、とても効果が期待できるでしょう。マッサージの基本手技で技術の根幹を成す軽擦の本領発揮です。

 

実際に私が対応した臨床例ですと、手の指を骨折して手術をした後の患者さんと足の甲の骨を骨折して手術をした患者さんが挙げられます。

 

前者の指の骨折例ですと若干の浮腫みと指が曲がらない、力が入らないという問題がありました。手術後数週間経過しています。オイルで流しつつ可動域が広がるように運動療法を行いました。
後者の足の甲の骨折例では浮腫みがとても強く、骨折をしていない健側と骨折した患側とで大きな差がありました。浮腫みがあることで神経などを圧迫して更なる痛みがあるとも考えられたので入念に軽擦をしてリンパの流れが良くなるように行いました。

 

どうしてもオイルマッサージは慰安、エステという印象が強いのですが、骨折後の後療において有効な例がたくさんあります。リンパ浮腫に関してはLTという専門職がありますが、骨折に対する手術あとの後療については有効な手段の一つだと言えるでしょう。マッサージだけでなく鍼灸や運動療法を入れることでより高い効果が期待できるわけです。
あまり世間に認識されていないので残念ですが、こういったことは医療資格であるマッサージの本分だと考えていますのでもっと認知されることを願っています。

 

甲野 功

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