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~内原先生による社会と鍼灸業界についての授業~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 内原先生の授業風景
教員養成科特別授業における内原先生

 

先週の木曜日に、母校の東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科特別授業関東鍼灸専門学校副校長内原拓宗先生とさせて頂きました。


私が話した内容はその日の午後に行われた『第8回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会』の内容により事情が今後変わりそうなので、ポイントを絞って振り返ろうかと考えています。

 

この特別授業は、私は登壇することと同時に内原先生の授業を受ける機会でもあります


教員養成科の先輩であり、関東鍼灸専門学という、それまで縁の無かった学校の先生の話を聞く珍しいチャンス。毎回、生徒側の気持ちになって臨んでいます。特に今後教員になる生徒に向けて、現役の専任教員が(しかも管理職という)話す内容は、臨床現場中心の私には近くて遠い世界のもの。専任教員がみる鍼灸業界の視点が語られます。

 

授業前に控室で内原先生とお話した際に、今年は何を話そうか本当に直前まで決まっておらず、ふと降りてきた内容をまとめたと言います。昨年はかなり前に発表資料を頂いていたので、それと対比するような内容に私は資料つくりをしましたが、今年はそれがありませんでした。内原先生がとても迷っていたことを察しました。

 

内原先生が話した内容で気になったキーワードをいくつか挙げます。

 

間に挟まれる40代と、世代間の隔絶
私や内原先生の年齢は40代。世間的にはロスジェネ世代と言われます。その上には団塊~バブル世代と言われる50代以上がいます。我々の下は通称ゆとり世代と一括りにされる35歳以下がいて、価値観が大きく異なると言われています。

 

40代はこの上下の世代から、悪く言えば板挟み状態であり、下からの突き上げ、上からの圧力を感じていると。これは鍼灸業界に限らず世間一般の話になります。上からは「俺たちは苦労して覚えたのだから、お前たちも見習って理不尽なことにも耐えろ!」と言われ、下からは「どうせ上の世代とは考え方が違いますから」と冷めた目で見られる。よく聞く話ではないでしょうか。

 

当然ながら鍼灸業界にも同じ状況があり、50代以降のいわゆる大御所とか重鎮と言われるベテラン鍼灸師がいて、30代前半の若手とか中堅くらいのデジタル世代の鍼灸師がいます。
内原先生の懸念は上の世代(ベテラン、大御所)の技術が下の世代(若手、デジタル)へ継承されていないこと。全てが全てとは言わないまでも世代間の交流が断絶していると。そこを取り持つために40代が努力しないといけないのだけれど現状うまくいかないという。

 

私の見方
この視点は管理職である内原先生らしいと思いました。このままでは先人たちが培った技術が失われてしまうという恐れがあるそうです。そうならないように間に入って尽力するのが我々40代と。


確かに世間的にも50代以降のアナログ世代と30代以下のデジタル世代と大雑把に分けた時に、40代はその両方を経験していると言えます。私の幼少期は線が繋がった黒電話が家庭にありました。そこからコードレスフォン、ポケットベル、PHS、携帯電話、スマートフォンと変化していきました。物心ついたときからパソコンでインターネットができた世代にはない経験です。どちらも知る世代であるから間を取り持つことになるのは必然かと思います。

 

今年始まった鍼灸Webメディア「ハリトヒト。」もこのような取組みを行っているなと感じています。SNSで毎日様々な情報が行きかう鍼灸業界。そこに現れない大御所の先生をインタビューで紹介し、このような先生がいるのだと若いデジタル世代に伝えている。「ハリトヒト。」編集部には40代の人がいますから、まさにそれを表していると思います。

 

 

組織が個人に奉仕する時代へ
これまでは「個人(従業員)」が「組織(会社)」に奉仕する図式だったが、これからは「組織」が「個人」に奉仕する、協力する時代に変化すると内原先生は言います。


これは内原先生がある企業の取り組みを知った上での話だそうです。


少子高齢化社会が進むことで、従来の多人数によって行ってきたことが現実的に難しくなり、より「個人」の力を使わないとやっていけないと言います。今までは所属する会社(企業)が生活の中心にあり、専業が当たり前で副業は禁止。会社に忠誠を誓い会社の利益を最優先にすること(つまり、個人の趣味や家庭よりも会社を上位に置く)が求められてきました。


しかし労働人口が減っていく中でそれは現実的に難しくなり、副業を認め、在宅ワークを推進する。会社が個人の能力をサポートして「個人が活躍する」ようにしないと仕事が回らなくなるというのです

 

 

私の見方
この社会情勢が変化するであろう予測は衝撃的でした。


私は大学を卒業してサラリーマンになりました。社会に出た頃から会社勤め、組織に属して働くことが王道だと思われていました。そこを今のように独立しているやり方は、親には邪道であり、特に母親には信じがたい愚行に映ったようです。

 

それが時代は個人に。組織が個人をバックアップするようになる(かも)という。

私は自身の個人の力量を最大限活かすことと家族や家庭を守ること(家事・育児はもちろん親の事も含めて)を念頭に独立開業という道を選びました。今では私がこのスタイルにしなかったら家庭がまわらないと思うくらいです。女性が家を守り男性が外に出て稼ぐ、という家族スタイルに限界が訪れるのでしょう。実際に今の女子大学生や女子高校生が花嫁修業をするなど聞いたことがありません。

 

そして「個人」として「組織」に新しい関わり方が出てくるものだと感じました。
開業した個人事業主である私の立場で、どこかの企業や組織と業務面で関わる。そういう状況になるのではないかと予感しました。今回の特別授業でも、ある意味で東京医療専門学校という学校(組織)に卒業生として個人が関わったこと。フリーランスを企業がサポートして協力関係になることが進むことに。鍼灸業界でもそのようになるではないでしょうか。

 

 

たこつぼ化
これは仲の良いグループができて閉鎖的になるという意味です。鍼灸業界では2つの公益業界団体があり、それ以外にも鍼灸師会、学会が多数ひしめいています。しかも業界団体に所属する人数はとても少ないという。他の医療従事者には考えられないことだと言います。

 

これは独立権のある鍼灸師であるから学校に入学する(この世界に足を踏み入れる)時点で独立心旺盛な、言い換えると協調性がない、人種が集まりやすいのかもしれないと。これを裏付けるデータが奇しくも今年の教員養成科卒業論文発表にありました。鍼灸師は一つにまとまらず、自分で新たなグループを作って他を閉ざしてしまう。これを「たこつぼ化」という表現を使っていました。

 

先の世代間の隔絶と重なりますが、若い人は若い人で固まり、そこで結局新しい「たこつぼ」ができているのではないか。そのような状況になっていないかと内原先生は語っていました。

 

私の見方
確かにSNSが普及して情報のやり取りが飛躍的に増えました。かつては職場、学校、鍼灸師会、学会、勉強会など限られたコミュニティでしか交流する場がありませんでしたが、今では鍼灸学生がベテラン鍼灸師とSNSでやり取りすることができる時代です。そのため簡単にグループができる反面、同じような立場や意見の者で固まりやすいとも。

 

これはどの業界でも言えることでしょう。お山の大将になりたがるのは人の性なのではないでしょうか。私には「たこつぼ化」によって起きる弊害は具体的に想像できないのですが、偏った考えになるような気は確かにしています。

 

 

これらのように私の立場では見えてこない業界状況が語られて、新しい考え方や視点が得られました。授業に同席した教員養成科学科長も同じような意見だったようで、鍼灸業界で最もポピュラーな組織である鍼灸専門学校にいる人間の見え方が分かりました。


教員養成科の学生は多くが専任教員に進むか独立開業するかの二択が大半になります(両方する人もいますし、組織に属する、研究職に進む、などもありますが)。同じ業界でありながら異なった立場の視点を知る機会になっています。

 

内原先生の話は昨年と大きく変化しました。それがこの1年の社会の変化・業界の変化なのでしょう。今年も大きな学びと気づきがありました。これらを更に深めていこうと思います。

 

甲野 功

 

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