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~鍼灸師のネットゲリラ戦術~

ビジネスで勝つネットゲリラ戦術詳説(しょぼい自己啓発シリーズ) えらいてんちょう著 KKベストセラーズ
ビジネスで勝つネットゲリラ戦術詳説(しょぼい自己啓発シリーズ) えらいてんちょう著 KKベストセラーズ

 

ビジネスで勝つネットゲリラ戦術詳説
えらいてんちょう著 KKベストセラーズ

 

こちらの本はしょぼい<自己啓発シリーズ>としてペンネームえらいてんちょう氏が書いたものです。以前に同氏が書いた本で「しょぼい起業で生きていく」を紹介したことがあります。その続編のような内容になっています。

また筆者は別の著書で「静止力」という新しい概念を提示しています。

 

著者は
これまでのビジネス界は企業(=正式な軍隊;正規軍)同士の戦いであったが、これからはしょぼい個人(=人材、資金などの資源がない個人;ゲリラでも戦える、正規軍を倒せる時代に変わった
と主張しています。

 

ビジネスを戦争に例えることはよくあることで、孫氏の兵法を仕事に取り入れる企業やビジネス本は多いです。兵法はその名前の通り、古代中国の戦争において有利になるための書籍です。


経営戦略という言葉がありますが、もともとは(戦争の)戦略から来ています。ランチェスター戦略は近代戦に用いる戦略を経営面、ビジネスに応用したものです。

 

えらいてんちょう氏は歴史上でもゲリラが正規軍を打ち負かせたことがあることを挙げて、ビジネス世界においても正規軍たる企業に、ゲリラたる個人が勝利をおさめることが可能になったとしています。その要因がインターネットの普及によるもので、言わば「ネットゲリラ(インターネットを活用したゲリラ)」というわけです。

 

本書では具体的に資本の無い個人がネットを活用して起業して成功するやり方を述べています。正規軍ではないので、寄せ集めの能力が乏しい素人集団でも、工夫すればどうにかなるというわけです。

 

具体的には緩い独裁というキーワードを用いていました。

 

正規軍は大規模であるから統率がとれていないと集団として機能しません。そのためまとまった賃金(月収、年収、福利厚生など)が必要で、階級分け(部長、課長、係長など)や統一させた装備(統一された制服やノートパソコンなど)を採用します。
ゲリラの場合は必要な時にぱっと集まって終わったらすぐに解散をする。緩い繋がりでよい。しかし決定権ははっきりと集める人間が持ち、あまり他の意見に耳を傾けず独断で進める。そうしないと意思決定のスピードも鈍りますし、責任の所在が不明瞭になります。
このような仕組みを「緩い独裁」と称しているわけです。

 

もちろんネットゲリラは資金が圧倒的に足りないわけですからテレビCMや新聞広告など打てません。そもそも打つ必要もありません。そこはSNSやブログ、YouTubeといった無料のインターネットツールを活用するわけです。
スタッフを正式雇用せず(する資金も規模もない)に必要な時に必要な人材を集める。その際に主に使うのもSNSといったネットツール。

だから“ネット”ゲリラ。

 

大まかに内容をつまみ上げるとこのようなことが書いてあります。

 

私は読んでみてまさに今の時代に合ったやり方だと感じます。特にまえがきで

もしあなたが一流企業の花形部署に勤める高学歴の有能なサラリーマンだったら、本書は読まずに、王道の方法で出世したほうがいいでしょう

と書いています。正規軍で王道のやり方が合っている方はそちらのフィールドで上を目指してくださいと断りを入れています。
“誰にでも通用する!”“絶対成功する!”といった無責任な煽り文句を入れず、ゲリラ戦が好きな方はどうぞ、という感じ。

 

私の経歴も東証一部上場企業という世間的には正規軍に入る部隊から、個人事業主というゲリラに身を移した形であります。そして現在はSNSを中心に広報活動を行っている「ネットゲリラ」に当てはまることでしょう。作者と思考方針が近いと思いました。

 

 

そしてこの(ビジネス面での)ゲリラというは、昔からの鍼灸師そのものではないか、とも思いました。

 

開業権があるため独立する選択肢があるのが鍼灸師。そのため一生どこかに勤める人は割と少なく、どこかのタイミングで自らの場所を立ち上げる人がほとんどだと思います。例え長期間勤めていても最終的にその鍼灸院を引き継ぐというパターンもありますし、勤めていても空いた時間で個人活動を始めることもあるので、この仕事を続けていて全く独立開業しないというのは結構珍しいことかもしれません。

そして独立開業しても企業にまで持っていくことはとても少なく、大部分は個人事業主でいくことでしょう。鍼灸師の性質上、正規軍ができないというかゲリラが性に合っているといいますか。


鍼灸術というものはとても汎用性があり技術が多種多様であるため、よく言えば多様性があり悪く言うとまとまりがないので、組織化が結構難しいのです。全スタッフにマニュアルを渡して完全に同じやり方をしなさい、とするのが難しい。不可能とは言いませんが職人肌の鍼灸師は新たな技術や知識を得て自分のものにしたがる習性があります。

 

これがあん摩マッサージ指圧師だと訪問マッサージの業態で企業化することがありますし、柔道整復師だと整骨院グループにすることが多々あります。同じ開業権のある資格免許でも鍼灸師は異質なところがあります。私は挙げた全ての資格を持つからこそ実感します。

 

そう、鍼灸師はゲリラ戦が得意というかゲリラ向きなのです。そもそも正規軍(企業勤め)が苦手な人間が集まりやすい業界とも言えるので。

 

ここで発想を変えると鍼灸師はゲリラ戦に活路を見出した方が得策なのでは、ということ。
昭和の時代からぽつんと鍼灸院を構えて、一人で生き抜いてきたわけです。鍼灸師会や勉強会などで組織化しても根っことなる戦場(臨床現場)はゲリラ戦だったとのでは。正規軍化することができなかったとも言えますし。


よく鍼灸師同士で言われることですが、全然業界がまとまらない、という問題。もしもまとまることができたのならばとっくに正規軍(大企業)になっていたことでしょう。

 

王道の戦い方を求めずに独自の局地戦に持ち込む方が性に合っているのではないかと、この本を読んで再認識しました。

 

甲野 功

 

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