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~ビジネスモデル論~

マンガ ビジネスモデル全史 創世記編
マンガ ビジネスモデル全史 創世記編 三谷宏治著

 

もう10年近く前のことですが、当時働いていた整骨院グループには経営コンサルタントがついていました。その頃の私は柔道整復師専門学校の学生をしながら本院の副院長という立場にあり管理職でもありました。

 

各分院の院長も含めた経営会議でコンサルタントに「将来のこうありたいという姿を細かく描写して想像してみてください」という風に言われました。いわゆるワークショップで成功を具体的にイメージして業務にしようというもの。

 

そのとき私が強く思い描いたことは

桜が満開の京都で妻とお花見をしながら妻に「いいビジネスモデルが見つかったわね」と言われている

画でした。

 

当時、すでに結婚していて、春の桜咲き乱れる京都に二人で行きたいと願っていました。そしてその場でビジネスモデルが見つかっていることが未来の展望だったのです。

 

この頃からビジネスモデルを意識していました

 

ビジネスモデルという言葉を意識したのはいつだったかは思い出せませんが、かなり前から頭の中にありました。

 

大学を卒業して半導体商社に入社しました。そこは東証一部上場企業でしたが、2001年に起きたITバブルが弾けた影響で早期退職が何例もあり、事業縮小もありました。経済環境によって上場企業であっても大きなダメージを受ける事実に驚きました。新社会人には衝撃でした。

 

また入社3年目に麻疹にかかり9日間入院した経験も大きかったです。とにかく精神的な負担が免疫力を下げたためだと思います。例え給料が良くてもストレスで身体が壊れるまで働いては元も子もない。働くスタイルを深く考えることになりました。

 

結果、企業勤めを辞めてこの道に入ります

 

鍼灸マッサージの免許を取得して就職活動をした際に、保険診療と自由診療を組み合わせた鍼灸整骨院が一番良いビジネススタイルだと思い就職しました。そこで数年働き、結論として保険請求をするスタイルが限界を迎えると感じていました。かなり激務でしたし。

 

もっと自分自身に合った仕事のスタイル、ビジネスモデルを模索していたのでした

 

それから紆余曲折を経て独立し、あじさい鍼灸マッサージ治療院を開業しました。今も現在進行形でビジネスモデルを模索しています。

 

そこで出会った本がありました。

マンガ ビジネスモデル全史 創世記編

「マンガ 経営戦略全史」に続くシリーズです。前作でとても勉強になったので即座に購入を決めました。それまで何となく考えていたビジネスモデルを学術的に書いている本に出会うことができました

 


この本の内容を踏まえてビジネスモデルとは、私の分野ではどのように応用するか考えてみます。

 

本書によれば、ビジネスモデルとは歴史の浅いジャンルであり、学術として完成していない状態だといえるとのこと。その中で筆者はビジネスモデルを以下のように述べています。

ビジネスとは結局、「誰かに対してある価値を、何かをどこからか調達・創造して提供して、収益を得るもの」なので、その要素の組合せ(セット)が「ビジネスモデル」になるわけです

では要素とは具体的に何をいうのでしょうか。ビジネスモデルの4要素を挙げています。

①ターゲット:誰に
②バリュー:どんな価値を
③ケイパビリティ:何をどこから調達・創造して提供し
④収益モデル:どう収益を得るか

 

①→②→③→④と考えていくことになります。つまりどう稼ぐかということは最後の方の話であり、前段階でしっかりと考えを固めないといけないようです。

 

①ターゲットは、ビジネスに関わる大事なプレイヤー全部が「顧客」
私の場合に照らし合わせると、治療を受けに来る患者さんはもちろんのこと、同業の鍼灸マッサージ師や競合になるであろう他のリラクゼーション店、近隣の鍼灸院、鍼灸用品メーカーなど全てが「顧客」、すなわちターゲットとして認識しておくわけです。

そして
「顧客セグメントの絞り込み」から「ステークホルダーの明確化」
と書いてあります。

経済用語としてのステークホルダーは利害関係者の意味であり、先に挙げた患者さん、競合他社、同業者、メーカーを指します。どの層に向けてあじさい鍼灸マッサージ治療院は向いているのかを明確にし、関連する人々をはっきりさせる必要があるようです

 

②バリューは、関わる人すべてへの提供価値を足し算したもの
直接的顧客だけでなく全ステークホルダーにおいて生まれる価値の総和(TVC:トータル・バリュー・クリエーション)が自社の報酬の上限
とあります。
患者さんが治療を受けて得る効果だけでなく、同じ業界にいる鍼灸師やマッサージ師さん、同じエリアにいる競合になる鍼灸院・整骨院・リラクゼーション店など、更に鍼灸用品を扱うメーカーや卸業も含めてすべての関係者に提供できる価値の総和となります。


つまり甲野個人やあじさい鍼灸マッサージ治療院だけが得をするのではなく、同じ業態で働く人々や競合となる相手、関係企業までにも価値を提供することを視野に入れることになります


ブログを書いて情報発信することや、無料で見込み患者さんの相談に乗ること、地域のお店を紹介することでTVCが上がり、自分に良い意味で還ってくることになるということ。昔からある近江商人の三方良しの理念と同じようなものでしょうか。

 

なお①ターゲットと②バリューが経営戦略でいうポジショニングになるそうです。ポジショニングの対になる言葉が次にケイパビリティです。

 

③ケイパビリティとは、オペレーションやヒト・モノ・カネの経営資
ケイパビリティとは簡単に言えば強み。優秀な人材もしくは技術、有効な器材、潤沢な資金といった他よりも優れているものです。さらに
「他社や競合との協調までを含めてのバリューネットワーク」として考えること
とあります。


甲野個人の技術、知識、立地条件など有利な点を、他の鍼灸院とも連携することでもっと強みを大きくできると考えられるわけです。患者さんを抱え込むよりも他者に紹介してまわすこと、気に入った地域のレストランやスポットを頼まれたわけでもないのに紹介して勧めること。これらもいわばあじさい鍼灸マッサージ治療院のケイパビリティ(強み、経営資源)になり得るのです。

 

④収益モデルは、生み出された価値をどうやって報酬として自社にかき集めるか
これが一番重要で売り上げや集客に繋げないと治療院経営が成り立ちません。一番考えることですね。
すでに述べたように、①~③をしっかりと考えずに④収益モデルを考えると失敗するようです。結構、自分の強みだとか置かれている環境というのは理解しているようでそうでもない。順序を追って④収益モデルにたどり着いた方が良いようです。

 

本書では歴史を遡り、3期に時期を分けています。

1期:1990年まで
 従来のビジネスモデル

 

2期:1990年から2001年まで

 インターネットによる自由度の拡大
インターネットの普及により社会環境が大きく変化し、ビジネスモデルが変わった。情報伝達速度が急激に高くなり、広告形態も変わりました。価値観も多様化したわけです。

 

3期:2001年以降

 持続的競争優位とイノベーション
インターネット環境の向上やSNSの普及もあり、より変化が激しい現在です。
ビジネスモデルを大きく変えてこそ競争優位は長期間維持される
としています。

 

また、
優れた要素技術もそれに事業に変えるビジネスモデルがあってこそイノベーションとなり、旧来のビジネスモデルを大きく転換させること自体がイノベーションとなりました
とあります。
今行っている(成功している)ビジネスモデルそのものを変えることが成功し続けるカギのようです。

 

まとめると、置かれている環境を知り、己をよく知り、利益を出せるやり方を見つける。そして成功したやり方も大胆に変えていくことが必要。ということでしょうか。

 

①~④の項目に当てはめて考えることで漠然としていたビジネスモデルというものが具体化してきます。他の繁盛している院も当てはめて考えると参考になることでしょう。経営を考える指標になりそうです。

 

甲野 功

 

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